「第5回 生活価値観・住まいに関する意識調査」を実施/カーディフ生命
最大の生活不安は「物価高」でも、家を買う派は67.1%に
調査結果によると、「現在感じている不安」(複数回答)の1位は「物価高」の85.6%で、次いで「老後資金」(82.8%)、「自然災害」(74.88%)、「病気・ケガなどで働けなくなる」(71.5%)などが続いた。漠然とした不安よりも、目の前の生活に影響が大きい「物価高」に大きな不安を感じているようだ。
こうした物価高や値上げの影響を受けて、「外食・飲み会」(30.5%)や「日常の衣類・ファッション」(28.4%)などを節約していることも分かった。では、住宅購入についてはどう考えているのだろう?
この調査で、買う派(どちらかというと買うを含む)か、借りる派(どちらかというと借りるを含む)かを聞いたところ、買う派が67.1%という結果になった。同社では「購入希望理由のトップは『自分の家を持ちたいから』(56%)と物価高や住宅価格の高騰が続く中でも、依然としてマイホームへの憧れが強いことがうかがえる」と見ている。
半数近くは住宅ローンを返せるかに不安を感じている
ただし、住宅購入には不安も感じている。住宅購入への不安理由トップは「住宅ローン返済への不安」の47.4%。特に20代・30代では、半数以上が住宅ローン返済に不安を感じているのだ。
さらに、住宅ローン返済に不安を感じている人に対して、不安の理由を聞いたところ、「病気・ケガによる収入減」(61.2%)が最も多く、次いで「急な出費」(38.8%)、「金利上昇による将来の負担増」(36.0%)が続いた。調査結果を見ると、収入が減少して、ローン返済を続けられないことに不安が強いことがうかがえる。
住宅ローンの不安を軽減するには、まずは無理のない返済計画を
“家を買う派”が多いものの、住宅ローンの返済に不安を感じているということが分かる結果だが、住宅ローンの借り方に注意することで、不安はかなり解消される。家を買っても借りても、いずれにせよ住宅に関する費用は発生する。住宅ローンに強く不安を感じるのは、賃料なら住み替えて金額を変えることもできるが、ローンは決められた額を必ず払わなければならない、ということにあるのだろう。
不安を軽減するには、まずは無理のない返済計画を立てることだ。病気やケガで働けない期間があっても、ローン返済後の家計に余裕があったり貯蓄があったりすれば、やりくりすることは可能だ。年間の返済額を年収の1/4程度に抑えておけば、変化に対応しやすいだろう。また、購入時の頭金として貯蓄をすべて使ってしまわないこと、購入後も教育資金や老後資金のための貯蓄を続けることも大切だ。
「金利が上昇して返済額が増える」ことに対しては、家計に余裕があったり繰り上げ返済などに回せる貯蓄があったりすれば、やりくりすることも可能だろう。一方で、【フラット35】のような返済中は金利が変わらない「全期間固定型」のローンを選ぶ方法もある。返済当初の金利は「変動金利型」などのほうが低いこともあって、今は変動金利型を借りる人が大半だ。ただし、家計に余裕がない人ほど、返済額が変わらない全期間固定型を選ぶほうが安心できるだろう。
住宅ローンの不安を保険で軽減する方法もある
住宅ローンを借りる際には、多くの場合「団体信用生命保険」(以下、団信)に加入する。団信は借りている人が万一、死亡または高度障害になった場合にローンの残額を保険で返済するものだ。つまり、万一の際に残された家族が代わって返済を求められることはない。
一方で、病気やケガ、失業などの場合は団信の対象外となる。そのため、医療保険や就業不能保険などに加入して、万一に備える方法もある。なお、勤務先で雇用保険に加入しているなどの条件を満たせば、国の失業手当(失業保険)を受け取ることができる。
なお、この調査で、「住宅購入後の後悔」を聞いた際のトップになったのは、「団信の特約を付ければよかった」(40.4%)だった。団信の特約とは、がんや三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)などに備えたり、就業不能や失業に備えたりする、団信に付帯できる保障のこと。この特約は、団信加入時に付帯するものなので、後から付けることができないのが原則だ。それが後悔する要因なのだろう。
家を買うのであれば、こうした保険に関する情報も押さえておくとよい。
このように、家を買う派が不安に感じる「住宅ローンの返済」については、不安を軽減する方法はいくつかある。漠然とした不安を抱えたままではなく、不安の理由を具体化してそれぞれの対処法を考えておくことは、返済計画の健全性を高め、不安を軽減することにつながるだろう。