「災害への備えを十分にしている」家庭はわずか1%!?激甚化する自然災害に…

「災害への備えを十分にしている」家庭はわずか1%!?激甚化する自然災害にどう備える

(写真/PIXTA)

ジュピターテレコム(J:COM)のグループ会社であるジェイコム少額短期保険が、ミドル世代(30~40 代)の持ち家世帯を対象に「災害、生活への備えに関する実態調査」を実施したところ、災害への備えが不十分という結果が出た。あなたは大丈夫だろうか?

【今週の住活トピック】
「災害生活への備えの関する実態調査」を発表/ジュピターテレコム(J:COM)

「災害への備えが十分」と思う人はわずか1.3%

近年、災害リスクが急速に高まっている。巨大地震が発生する確率は高く、豪雨や台風による浸水被害も甚大化している。これまでの予想をはるかに上回る災害に対して、備えは十分にできているだろうか?

今回の調査で「災害への備えは十分だと思うか」と聞いたところ、「そう思う」つまり備えは十分と思っている人はわずか1.3%しかいなかった。備えが不十分(「全くそう思わない」16.1%+「あまりそう思わない」38.3%)という回答が過半数を占め、「どちらともいえない」が32.1%だった。

さらに、「災害に遭った時の備え」として対策していることを複数回答で聞くと、半数前後の人が「食料、飲料、水の備蓄」や「生活必需品の備蓄」と回答した。いずれも、被災後に命が助かって生活インフラが整うまでの当面の生活のためのものだ。

災害にあった時の備えとして、実際に対策していることを教えてください(回答者 523/複数回答) (出典:J:COM「災害生活への備えの関する実態調査」より転載)

災害にあった時の備えとして、実際に対策していることを教えてください(回答者 523/複数回答)
(出典:J:COM「災害生活への備えの関する実態調査」より転載)

一方、「転倒防止などの家具の配置」や「避難経路などの確認」といった、命を守るための対策を行っているのは4人に1人程度。被災後の「生活再建のための費用」を保険や貯蓄でねん出する対策をしている人は4~5人に1人程度という結果となった。

命を守れてこそ当面使う備蓄が生かされるわけだし、万一の時に生活再建をするには多額の費用がかかる。こうした備えをするのも重要な災害対策だ。

建物の火災保険に加入している人は8割超えだが、家財は半数以下

次に、保険の加入について見ていこう。今回の調査は持ち家世帯が対象ということだが、住宅ローンを借りて家を買った場合、建物の火災保険に加入することが求められる。そのため、建物の「火災保険」への加入率は、84.3%と高くなっている。

生活再建のためには、建物に加えて家の中の家財に保険をかけることも検討したい。その場合は「家財保険」になるが、加入率は44.6%と半数に満たない。もちろん家財は貯蓄で備え、高額となる建物には保険を掛けるという人もいるだろうから、一概にはいえないが、家財保険の認知度が低いという可能性も考えられる。

(出典:J:COM「災害生活への備えの関する実態調査」より転載)

(出典:J:COM「災害生活への備えの関する実態調査」より転載)

また、「家財保険の対象に含まれるものはどれか」を聞いたところ、「テレビ」(59.7%)、「冷蔵庫」(57.9%)、「洗濯機」(54.9%)などの価格のはる家電を対象と思う人が過半数となる一方、「くつ」(19.3%)、「めがね」(17.6%)、「本」(17.4%)などの日用品などは対象にならないと思っている人が多いことが分かった。

実際は、家具や衣服などの日常生活に使用している動産はほとんど「家財」として扱われるため、くつや眼鏡、本なども家財保険の補償対象となる。

筆者の場合は、眼鏡に意外とお金をかけているので、対象になるのだと改めて認識した。ただし、保険の加入時期によっては対象とならない場合もあるようなので、いずれにせよ家財の対象の範囲については事前によく確認しておきたい。

災害への備え、どうしたらよい?

さて、災害への備えはやろうと思えばきりがないほど広範囲に及ぶ。家庭それぞれの事情に応じて、優先順位をつけるのがよいだろう。ただし、まずは命を守ることを優先してほしい。家具の固定やガラスの飛散防止など、できることから始めたい。

また、災害による損失を貯蓄で備えるのか、保険で備えるのか迷うところだ。一般的には、ライフイベントなど予想ができるものは貯蓄で、頻繁に起こらないが起きたら多額の費用が必要になるものは保険で備えるのがよいといわれている。

そういう意味では、災害の備えは保険である程度カバーしておくのがよいだろう。ただし、建物の火災保険では地震による火災は補償されないので、地震に備えるには火災保険に付帯する地震保険への加入が必要だ。また、火災保険でも補償範囲がセットになっているものもあれば、選べるものもある。これから災害が起きる可能性のある「水害」も補償されるかなど、加入する火災保険でどこまで補償されるのか、内容をきちんと確認しておくことが必要だ。

同じ水の被害でも、台風によるもの、地震後の津波によるもの、上階からの水漏れによるものなど、加入している保険によって補償対象が分かれる。保険に入ってさえいれば、すべて補償されるものではないので、上手に活用するようにしたい。

災害への備えをするには、まずはマイホームの災害リスクの程度を知ることが大切だ。そのためにはハザードマップでリスクの程度を確認したり、過去の災害の状況を確認したりしてほしい。災害に対する家庭での備えについては、首相官邸のサイトに詳しい情報があるので、こうしたものを参考にするとよいだろう。「備えあれば憂いなし」だから。

〇首相官邸:災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~

引用元: suumo.jp/journal