「中古マンション購入+リフォーム」で将来貸しやすく、快適に暮らせる部屋に…

「中古マンション購入+リフォーム」で将来貸しやすく、快適に暮らせる部屋に【理想をかなえたマイホーム実例#03】

(写真/PIXTA)

マイホーム購入を通じて、理想をかなえた方々のお宅に伺い、レポートする連載企画。
今回は「忙しい毎日のなかでも子どもとの時間を大切にしたかった」「将来的に売ったり貸したりできる資産性も重視した」というMさんの住宅購入ストーリーを伺いました! 多忙な毎日を過ごされているMさんはどうやって理想の暮らしを実現されたのでしょうか!?
【連載】理想をかなえた!マイホーム実例
「いつかは家を買って、○○したい」――そう考えて、住宅購入に夢を膨らませている方も多いのではないでしょうか。実際に「こんな暮らしがしたかった」という理想の暮らしを実現したご家庭にお邪魔し、マイホームを購入するまで、してからのお話をあれこれ伺います。

夫の転勤で札幌へ……! いつかは東京に戻る前提で資産性を重視

テレビ電話ごしの取材となった、札幌在住のMさん。取材のために事前に何度もメッセンジャーでやり取りをしながらも、本当に日々お忙しそうなご様子が伝わってきます。もともとは東京に住んでいたというMさんファミリーは、夫と小学3年生の男の子との3人暮らし。まずは札幌に移住することになった経緯から伺います。

――はじめまして! 本日は画面ごしですが、よろしくお願いします!
Mさんはもともと東京にお住まいだったと聞きましたが……?

「はい。私も夫も営業系の仕事なのですが、5年ほど前に夫が札幌に転勤することになり、家族全員で移住しました。子どもはまだそのころ幼稚園でしたし、私も夫も夜遅くまで仕事をしているので、単身赴任で物理的な距離が離れると、家族で過ごす時間が確保しづらくなってしまうと思ったんです。そのため、私は前の仕事を辞め、札幌で同じ業種の会社に転職をしました」(Mさん、以下同)

Mさんが住むのは有名な時計台やテレビ塔もある札幌市中央区。写真左は札幌駅、右は札幌の街並み(写真/PIXTA)

Mさんが住むのは有名な時計台やテレビ塔もある札幌市中央区。写真左は札幌駅、右は札幌の街並み(写真/PIXTA)

――そうすると、今後は札幌にお住まいになる予定なのでしょうか?

「いえ、転勤の多い職種なので、また東京に戻るか、他の地域に異動になる可能性も高くて……。実際に夫も札幌に転勤後、さらに帯広に転勤になり、結局、いまは単身赴任という形になりました。札幌に来てから2年間は夫の会社の住宅補助を受けて近くの賃貸マンションに住んでいたんですが、このエリアは賃貸相場もそれなりに高く、補助から足が出る状況で。夫といい物件があれば買った方がいいかも、という話を常々していたんです。ただ、もし買うなら、今後また転居することになったときにも売ったり貸したりできるよう、資産性の高い物件を選ぼうと」

――資産性の高い物件というと、具体的には?

「いま住んでいる地域は文教エリアで人気が高く、新築マンションがどんどん建っています。私たちのような転勤族も多いので、駅からの利便性が高く、大手デベロッパーの建てた物件であれば、多少築年数があっても買いたい人はたくさんいるだろうと感じていました。新築よりも中古マンションの方が割安に手に入りますし、きちんと管理され、ブランド力のあるマンションは、リフォームをすれば快適に住めて売りやすいはずだと。それで私たちが買おうかなと探していたときに、ちょうど駅から徒歩2分のこの物件が出ているのを知ったんです。近所の人であれば、マンション名と外観を見れば『ああ、ここか』とすぐ分かるような物件ですよ」

住まいとしての快適性と、資産価値UPを目的にリフォーム

――立地以外に「資産性」という面で重視されたポイントはありますか?

「この物件はもともと3LDKで、リビングの横に和室があったのですが、内覧したときにリビングとつなげれば広くできるな、と思いました。もともと所有されていた方も結構きれいにお住まいになっていたんですが、築20年くらいだったので、自分たちが快適に住むためにも、また今後、売却する可能性を考えてもリフォームが必要だなと」

【リフォーム前の間取図】もともとはリビングの横に和室がある形の3LDKの間取だった(Mさんに提供いただいた間取図を元にSUUMOジャーナル編集部にて作成) 【リフォーム後の間取図】リビング横の和室をつなげる形にして広いリビング・ダイニングの2LDKに変更(Mさんに提供いただいた間取図を元にSUUMOジャーナル編集部にて作成)

【リフォーム前の間取図】もともとはリビングの横に和室がある形の3LDKの間取だった(Mさんに提供いただいた間取図を元にSUUMOジャーナル編集部にて作成)
【リフォーム後の間取図】リビング横の和室をつなげる形にして広いリビング・ダイニングの2LDKに変更(Mさんに提供いただいた間取図を元にSUUMOジャーナル編集部にて作成)

――リフォームされたんですね! 他にも変更されたところはあるんでしょうか?

「間取りの変更という意味では、押入れだったところをウォークインクローゼットにしたり、お風呂が狭かったのを広くしたり……というくらいですが、設備や仕様はほぼ全て手を入れました。床とクロスを張り替え、キッチンやバスなどの設備も新しいものにしました。札幌市は窓を二重サッシに変えると補助金がでる制度(※)があるので、窓も全て取り替えたんですよ(笑)」

※札幌市住宅エコリフォーム補助制度:許可を受けた事業者が施工する省エネ改修やバリアフリー改修を行った場合に、改修費用の一部を補助する制度

札幌の冬は寒いが、補助金が出ることが分かり、二重サッシも全て新しいものに取り替えた(写真提供/Mさん)

札幌の冬は寒いが、補助金が出ることが分かり、二重サッシも全て新しいものに取り替えた(写真提供/Mさん)

和室についていた押入れは、隣りにあった物入れと一体化してウォークインクローゼットに(写真提供/Mさん)

和室についていた押入れは、隣りにあった物入れと一体化してウォークインクローゼットに(写真提供/Mさん)

――それだけ全体的にリフォームをしようと思うと、リフォーム会社選びも慎重になったのではないですか?

「それが実は、リフォーム会社はこのマンションを建てた大手不動産グループの会社にそのままお願いしました。検討に時間をかけたのはどこにお願いするかではなく、仕様をどのレベルに維持するか、です。いずれは引越すことが前提で一生住む家ではないので、コストは抑えたいんです。でも、あまりグレードの低い仕様・設備だと自分たちが住むのに日々、ストレスになりますし、いざ売ろうとしたときにも低く評価されては困ります。『中の上』くらいの仕様を意識して、すべてのものを選ぶようにしました。『本当はこっちがいいけど、ここまでお金かける必要ないな……」とそれなりの質は確保しつつ、コストも重視するという。見積もりを出してもらって、やりすぎかなと感じる部分は削って、を繰り返しました」

バスやキッチンなどの設備も新しいものに交換。「中の上」のグレードを意識しながら、使い勝手がよく、万人受けするシンプルな仕様に(写真提供/Mさん)

バスやキッチンなどの設備も新しいものに交換。「中の上」のグレードを意識しながら、使い勝手がよく、万人受けするシンプルな仕様に(写真提供/Mさん)

床やクロス、建具なども変更。空間を広く見せるために白を基調としたものをセレクト(写真提供/Mさん)

床やクロス、建具なども変更。空間を広く見せるために白を基調としたものをセレクト(写真提供/Mさん)

忙しく働くママが小学生の息子と時間・空間を共有するための工夫

――毎日本当にお忙しそうなので、リフォームの検討も大変でしたよね。普段はどのような形でお仕事されているんでしょうか?

「平日は朝7時半過ぎに家を出て、帰ってくるのはほとんど21時から22時くらいになります。早ければ週に1回程度、19時半くらいに帰れるときがあるかどうか……。なので、息子の生活は普段、ベビーシッターさんにお願いしています」

――わあ……本当にご多忙ですね。そうすると、帰宅されたときにはお子さんはもう寝ている感じですか?

「寝ちゃってますね……(涙)。その分、早く帰れたときや休日など、家にいられる時間は少しでも一緒に過ごしたいと考えまして。リフォームによって広くなったリビングの真ん中には、子どものデスクを置いています。子ども部屋もありますが、基本リビング学習です(笑)。早く帰れたときに、息子が宿題をしている姿が食卓からも見えます。お互いが何をしているかがパッと視界に入るんです」

リビングの中央には子どもの学習デスクが。Mさんがダイニングやキッチンにいるときも、一緒の時間・空間を共有できる(写真提供/Mさん)

リビングの中央には子どもの学習デスクが。Mさんがダイニングやキッチンにいるときも、一緒の時間・空間を共有できる(写真提供/Mさん)

――たしかに、息子さんのデスクが主役のリビングですね!

「でも息子は実際にはデスクだけじゃなくて、キッチンのカウンターで勉強することも多いんです。カフェっぽいカウンターにしたところは私のこだわりなんですが、ここで一緒にご飯を食べたり、私が料理しているときに息子が勉強したりしています。あと、夜の時間は私が一杯飲むためのバーカウンターに(笑)」

子どもが寝た後は、カウンターでゆっくりお酒をたしなみながら一息をつく時間も確保(写真提供/Mさん)

子どもが寝た後は、カウンターでゆっくりお酒をたしなみながら一息をつく時間も確保(写真提供/Mさん)

豊かな暮らしを実現するために、購入予算とローンの組み方も考慮

――素敵ですね。資産性も重視されたということなので、きっと購入予算についてもいろいろ考えられたんでしょう?

「購入予算については、それまでの家賃の負担額と同じくらいになるように予算を決めたうえで物件を検討しました。もともと賃貸で住んでいたときに15万円くらいの家賃を負担していたので、共益費や修繕積立金を入れて月々の支払額が同じくらいになるように計算して」

――人気があるエリアとのこと、地方都市の中古マンションとはいえ、高かったのではないですか?

「マンションを約2000万円で買って、リフォームに500万円ほどかけた形です。現金で買えない額ではなかったのですが、銀行や不動産会社の方が『現金で買えるとしても、ある程度は手元資金として置いておいた方がいい』とアドバイスをしてくれてローンを組みました。今は金利も低いですしね」

――引越し前提、売却も視野に入れているとのことなので、また次の新しい住まいを購入される可能性もありそうですもんね

「はい、今後のことも考えて、ローンは20年で組んでいます。無理のない範囲で、時々の状況にあわせた住まい選びができればと!」

そう魅力的にほほ笑むMさんの表情からは、バリバリとお仕事をしながら子どもとの時間も大切にして、充実した生活を送っていることが垣間見えます。一方、人気の高いエリアでブランド力のある中古マンションを買ってリフォームをすること、低金利の今、あえて手元資金を残しながら住宅ローンを組む選択をされたことも、今後の将来を見据えた賢明なプランですよね。
Mさんファミリーの選択からは、理想の暮らしを実現しながら、先を見据えた堅実な資金計画も両立する、そんな賢い住まい選びを学びました。

引用元: suumo.jp/journal