新築では手が出なかった物件を購入できる「リノベ済物件」の魅力【リノベとい…

新築では手が出なかった物件を購入できる「リノベ済物件」の魅力【リノベという選択肢】

(写真撮影/土田凌)

住宅購入の選択肢として最近注目されているのが、中古物件をリノベーションした「リノベ物件」。中古物件を購入して自分たちでリノベーションプランを考える人もいますが、クオリティの高いリノベ済みの物件を購入することもできるようになりました。しかし、言葉では知っていても、リノベ物件の魅力がいまいち分からないという方も多いはず。今回は、実際にリノベ物件に住んでいる人に、気になる「リノベ物件のあれこれ」をうかがいます。

新築と同レベルの内装だったことから興味をもったリノベ済物件

今回お話をうかがったのは、江東区にお住まいのSさん夫婦(30代)。東京メトロ東西線「東陽町」駅からほど近いマンションの4階にあるリノベ済み物件にお住まいです。新婚でもあるSさん夫婦は、約3カ月前に購入したこの家で新しい生活を始めたばかり。実際に住んでいるからこそ見えてくる、リノベ済物件の魅力や物件選びのことについてお話をうかがいました。

最初に見に行った物件がたまたまリノベ済物件だったというSさん夫婦。実際に内覧に行った物件は、不動産会社が既存住宅を買い取ってからリノベーションしている、いわゆる「買取再販」と言われる物件でした。内装が新築と比べても遜色がないほどきれいだったため、リノベ済物件に興味をもったのだそうです。

駅近の3LDKで60平米という二人の希望を満たすご自宅。購入金額は、ほぼ予算通りの4000万円弱(写真撮影/土田凌)

駅近の3LDKで60平米という二人の希望を満たすご自宅。購入金額は、ほぼ予算通りの4000万円弱(写真撮影/土田凌)

「新築の物件も見たのですが、二人が求める部屋のスペックだけでなく、お互いの勤務地に30分以内などの立地条件を考慮すると、都内の新築物件ではどうしても予算を超えてしまうと思っていました」(Sさん夫婦)

共働き前提の新婚夫婦だったからこそ、駅近や区役所の近さ、保育に関する安心感といった生活環境の良さは外せない条件でした。いまのご自宅は、そういった条件を満たしながら、フルリノベーションされており、施工のクオリティが高かったため、購入を決意したと言います。

「リビングと仕切られている方が、湯気や臭いがリビングにたちこめる心配がないので、キッチンが独立している物件を選んだ」と語るSさん夫婦。写真中央は奥さまお気に入りの食洗器(写真撮影/土田凌)

「リビングと仕切られている方が、湯気や臭いがリビングにたちこめる心配がないので、キッチンが独立している物件を選んだ」と語るSさん夫婦。写真中央は奥さまお気に入りの食洗器(写真撮影/土田凌)

「古き良き」を感じながら暮らせるもリノベ済物件の魅力

リノベ済物件の魅力は「新築だったら買えない物件が買えること」と、Sさん夫婦は口をそろえます。

「リノベ済物件は外側が古いだけで、内側に関しては新築と同クオリティです。新築は高額で手が届かなかったとしても、リノベ済物件なら手が届く範囲で購入できるというのが、何よりもメリットだと思います」(Sさん夫婦)

また、新築物件とは異なり、建物の元からある構造を活かし、アップデートしているのもリノベ済物件の特徴です。だからこそ、建物自体が古いということは「必ずしもデメリットではない」とSさんご夫婦は言います。

バルコニー側から見たはめ殺しの大型の窓(写真撮影/土田凌)

バルコニー側から見たはめ殺しの大型の窓(写真撮影/土田凌)

「例えば、このバルコニー。バブル期に建てられた物件にはこういう出っ張った窓が多かったそうなのですが、いまはこういう形の窓のある物件は少ないんです。内装はきれいなのに、ベランダはちょっとレトロっていうこの空間が好きですね」(夫)

取材当日はあいにくのお天気でしたが、明るさは充分。ご夫婦いわく「サンルームとしても活用できそう」とのこと。もともとの構造を活かしたリノベ済み物件だからこそ、新築ではなかなかお目にかかれない「はめ殺しの大型の窓」を手に入れることができたと言えるかもしれません。

物件探しを通じて、自分たちの住まいへのこだわりを見つける

現在の住まいにたどり着くまで、リノベ済みの中古物件、リノベなしの中古物件、新築物件とさまざまな物件を見てきたというSさんご夫婦。だからこそ、リノベ済み物件を選ぶ際には「住んだあとにリフォームが発生するかどうかを確認したほうがいい」と言います。

つまり、リノベ済物件だからといって、部屋のすべてがリノベーションされているとは限らないということ。内装のみのリノベーションで、水まわりや配管工事までは行っていないという場合もあるため、部屋のどこまでがリノベーションされているのかは、きちんと確認する必要がありそうです。

「私たちが見た物件のなかで、内装はきれいだけど、お風呂のドアが前のままという物件がありました。でも、私たちはそれが妥協できなかった。だからこそ、水まわりや配管まで含めたスケルトンリノベーション(骨組みだけを残し、内装や設備を一新すること)にこだわることにしたんです。

ほかの物件を見て、比較対象となる物件を並べていくと、『実は自分はこんなところを気にしていたんだ』といままで顕在化されていなかったニーズが見えてきます。いくつか見比べて選択していくことが必要なのかなと思いますね」(妻)

営業担当との関係性も理想の住まい選びには欠かせない

さまざまな物件を見て、結果的に満足のいく住まいを購入できたというSさん夫婦。しかし、最初から「こういう住まいがほしい」という強いイメージがあったわけではなかったそう。そんなご夫婦が理想の住まいを手に入れることができたのは、ご夫婦の物件選びをサポートしたグローバルベイスの販売担当、後藤さんの存在が大きかったそうです。

取材中、息の合った掛け合いを見せたSさん夫婦と後藤さん。まさしくパートナーという言葉がふさわしい関係性でした(写真撮影/土田凌)

取材中、息の合った掛け合いを見せたSさん夫婦と後藤さん。まさしくパートナーという言葉がふさわしい関係性でした(写真撮影/土田凌)

「私たちはそもそも購入予算の設定からして甘かったんです。住宅の購入にすべての金額を注ぎ込むのではなく、『遊びや旅行など自分たちが人生を楽しむことにもお金を使えるような、生活の余白を残したい』と漠然とは考えていました。しかし、そのためにいくらのローンを組めばいいのかといった、具体的な資金計画すら分かっていませんでした。後藤さんに相談するうちに自分たちの予算が次第にクリアになり、それに見合った物件探しを進めることができたんです。

後藤さんは、親身に相談に乗ってくれるパートナーのような存在。パートナーから教えてもらう知識やアドバイスによって私たちの考えもまとまっていくので、住宅の購入はパートナーとの共同作業だなと思いました」(Sさん夫婦)

新築と比べて少ない予算で手に入れることができるとはいえ、ただ希望の条件を並べていくだけでは満足度の高い物件購入は難しいかもしれません。具体的な物件のイメージを持っていなかったSさん夫婦の場合は、「比較対象となる物件を複数見た」「営業担当の力も借りて、資金計画などから細かく詰め直した」という2つのポイントが、満足のいく物件購入に繋がりました。
自分たちが住まいに何を求めているのか、またその資金計画によっても、選び方は変わってきます。リノベ済み物件ならではの特徴や検討ポイントを理解した上で、後悔のない物件選びをしましょう。

引用元: suumo.jp/journal