最近よく耳にする「リースバック」って、どんな仕組み?どんなメリットがある?

最近よく耳にする「リースバック」って、どんな仕組み?どんなメリットがある?

(写真/PIXTA)

住んでいる家を活用して現金を得る手段として、最近よく耳にするのが「リースバック」だ。「ハウス・リースバック」というサービスを展開している(株)ハウスドゥでは、9000件を超えるほど年間の問い合わせが増加したという。いったいどんな仕組みなのだろうか?
【今週の住活トピック】
「ハウス・リースバック 年間問い合わせ件数9,000件突破!」 /(株)ハウスドゥ

リースバックってどんなもの?

一般的に「リースバック」とは、正式には“sale and leaseback”、つまり賃貸借契約付き売却のことをいう。
ここでいうリースバックとは、自宅などの所有不動産を第三者(投資家や不動産会社など)に売却し、売却先と賃貸借契約を結んで、元の所有者がそのまま住み続けるという仕組みだ。

この仕組みが実現する前提となるのは、購入した新たな所有者となる売却先と、元の所有者がお互いを信頼したうえで契約を交わすことだ。そうでないと、新たな所有者が立ち退きを求めたために住み続けられないとか、新たな所有者が別の第三者に転売してしまうということも起こり得るからだ。

こうしたリースバックサービスを(株)ハウスドゥでは2013年10月から開始しているが、リースバックへの年間(いずれも前年7月~6月の一年間)問い合わせ件数は、2016年の3384件、2017年の6907件と増加し続け、2018年には9000件を超えたという。

同社のサービスは、同社自身が不動産を購入して、大家となってあらかじめ決めた期間で元の所有者に賃貸(リース)するという仕組みだ。後から元の所有者が再度購入することも可能にしていて、契約の際にも再購入時の買い取り額をあらかじめ明示しているという。

「ハウス・リースバック」の仕組み(株ハウスドゥ提供)

「ハウス・リースバック」の仕組み(株ハウスドゥ提供)

リースバックのメリット・デメリットは?

一般的な「リースバック」のメリットとデメリットについて考えてみよう。
〇メリット
・売却によって、まとまった現金を手にできる。
・売却後も慣れ親しんだ自宅にそのまま住み続けられる。
・広く販売活動をすることがないので、売却したことを近隣に知られない。
〇デメリット
・所有ではなく賃貸となるので、賃料を払うなどルールを守る必要がある。
・終身住み続けたり、必ず買い戻せることが保証されているわけではない。

もちろん、契約で合意した期間中ずっと賃料を払い続けられる安定した収入があること、住宅ローンが残っている場合は金融機関の抵当権がはずせるように売却代金がローンの残高を上回ることなど、利用するには一定の条件が求められる。

また、リースバックで重要な役割を果たすのが、新たな所有者だ。当然ながら新たな所有者に利益が生じないと、この仕組みは成立しない。投資額(購入額)に対して、それを超える賃料が入ったり、賃貸借契約終了後に転売して利益が出たりすることが求められる。

そのため、リースバックの場合は、「普通に売るよりは売却額は低い」とか、「普通に借りるよりは賃料は高い」とか、「買い戻し額は売却額より高い」といった可能性もある。

したがって、「だれもが簡単に住みながら現金を手にできる」方法とは思わないほうがよいだろう。

リバースモーゲージとはどう違う?どんな人に向いている?

住みながらまとまった現金を手にできる方法として「リバースモーゲージ」という手法もある。

リバースモーゲージについては筆者も何度か記事にしているが、こちらは自宅を担保にお金を借りることで現金を手にする仕組みだ。したがって、「所有権を持ち続ける」、「借りたお金を返済していく」という点が根本的に異なる。

→リバースモーゲージについては筆者の記事「住みながら自宅を現金にする方法がある!?“リバースモーゲージ”の利用件数が増加」「住み続けながら家を現金化できる“リバースモーゲージ”。老後の資産活用の選択肢になる?」を参照

またリバースモーゲージは、死亡などによって契約が終了した時に相続人が売却するなどでローンを一括返済する仕組みなので、60歳以上などシニア層に限定して自宅を現金化するために利用されることが多い。

一方、リースバックのほうは、売却してしまうので自分のものではなくなるが、再度購入することで買い戻せる可能性はある。年齢制限なども特にないことから、例えば、次のような人に向いていると考えられる。

・学区の関係など一定期間自宅に住み続ける理由はあるが、今まとまった現金が必要な人(定めた期間を過ぎたら住み替える)
・一定期間後に確実にまとまった現金が手に入るが、今は必要な現金が手元にない人(まとまった現金が入った段階で買い戻す)

覚えておいてほしいことは、住み続けられると言っても「定期借家」による賃貸借契約になるので、定めた期間が来たら賃貸借契約は終了するのが原則だ。契約終了時に定期借家を再契約することは可能なので、希望する期間だけ再契約を繰り返すことで住み続けられる場合もあるが、どこかの段階で転居する計画でいたほうがよいだろう。

自宅に住み続けながら、「売却によって現金化」するリースバックも、「担保にしてお金を借りて現金化」するリバースモーゲージも、取り扱う機関もまだ少ない。サービスの内容もそれぞれで異なるため、利用する際には契約条件などを細かく調べる必要がある。

自宅を活用して現金化する必要がある場合には、その方法を幅広く検討してほしいが、選択肢の一つとしてこうしたサービスがあることも覚えておくとよいだろう。

引用元: suumo.jp/journal