ペアローンの団体信用生命保険でローンまるごと完済できる?そもそもペアロー…

ペアローンの団体信用生命保険でローンまるごと完済できる?そもそもペアローンと収入合算の違いとは

(写真/PIXTA)

第一生命保険は、住宅購入時にペアローンを利用する世帯向けに、夫婦などのいずれかに万一のことがあった場合に両者のローン残高の合計を保障する連生団体信用生命保険の取り扱いを始めると公表した。取り扱い開始は、2024年7月から。そこで、今回はペアローンについて、深掘りしていこうと思う。
【今週の住活トピック】
ペアローン利用者の連生団体信用生命保険の取扱開始/第一生命保険

そもそもペアローンってどんなもの?

まず、ペアローンとは何かを説明しよう。

ペアローンとは、一つの物件を購入する際に、同居する夫婦などが、それぞれ契約者として住宅ローンを組む方法だ。それぞれの収入に応じて借り入れができるので、どちらかが単独でローンを組むよりも借入金額を増やすことができる。それぞれが住宅ローンの契約を結ぶことになるので、自分の住宅ローンについて団体信用生命保険に加入し、住宅ローン減税を利用できることになる。

ただし、同じ金融機関で同時に住宅ローンの借り入れをし、お互いが連帯保証人になる必要がある。また、2本の契約が発生するため、ローンに関する事務手数料や登記費用などの諸費用がそれぞれにかかってくる。

出典:第一生命保険のリリースより転載

出典:第一生命保険のリリースより転載

新築マンション購入者の3割がペアローンを利用

近年、ペアローンの利用者は多くなっている。

リクルートのSUUMOリサーチセンターが実施した「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」によると、世帯主と配偶者のペアローンは、全体で29.9%となっており、近年はおおむね3割で推移している。

リクルート「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」より抜粋して転載

出典:リクルート「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」より抜粋して転載

ペアローンの比率は、「既婚・共働き世帯」で見ると、48.2%と半数近くに達している。さらに、共働き世帯で世帯年収が1000万円以上に限ると72.6%にまで達する。フルタイムで働くなど、それぞれに一定の年収がある共働き世帯では、ペアローンが当たり前になっているようだ。

ペアローンと収入合算の違い

夫婦で協力して住宅を購入するには、ほかに収入合算という方法もある。

収入合算は、夫婦どちらかが単独で住宅ローンを組み、相手側の収入を合算する方法。合算した金額をもとに住宅ローンの審査を受けることができ、収入合算者は、連帯保証人になる必要がある。

収入合算で一般的な連帯保証の場合、収入合算者は団体信用生命保険の対象にはなれず、住宅ローン控除の利用もできない。例えば、夫が住宅ローンの契約者となった場合、夫が亡くなったときには、残りのローン全額が保険で清算されるが、妻が亡くなって収入が減少したときでも、ローンの返済はそのまま続くことになる。ただし、連帯債務の場合(【フラット35】など)は、収入合算者は住宅ローン控除が利用でき、デュエット(ペア連生団信)に加入すれば団体信用生命保険の対象になれる。

ペアローンの連生団体信用生命保険とは

ペアローンの場合、それぞれが住宅ローンの契約者として団体信用生命保険に加入するので、たとえば夫が亡くなった場合は夫のローンだけが保険で清算される。妻は従来通り、自分が借りたローンの返済を続けることになる。

今回の連生団体信用生命保険は、ペアローンの利用者それぞれを被保険者として、借入額の合計額をそれぞれの保険金額として団体信用生命保険に加入するもの。夫婦などのいずれかに万一のことがあったら、両者のローンをまるごと保険で完済できるようになる。

住宅ローンは長期間返済し続けるものなので、団体信用生命保険に加入するのが原則だ。疾病保障特約や所得補償特約などを付けることができるものもあり、連生団体信用生命保険が加わることで、保険の選択肢が増えることはよいことだろう。ただし、それに伴う保険料、保険が適用される条件などにも考慮したうえで、自分たちはどこまでの保障が必要かをしっかり検討する必要がある。

引用元: suumo.jp/journal