わが選択に悔いなし?賃貸と購入、一戸建てとマンション……それぞれの満足度…

わが選択に悔いなし?賃貸と購入、一戸建てとマンション……それぞれの満足度は?

(写真/PIXTA)

「家を買うか、買わないか?」「買うなら一戸建てか、マンションか?」といった住まいの問題。日本トレンドリサーチによると、どんな住まい方を選択した人でもその大半が後悔していないという。では、どう考えて選べばいいのだろうか。
【今週の住活トピック】
「家に関するアンケート」結果を公表/日本トレンドリサーチ(運営会社NEXER)

持ち家(一戸建て・マンション)、賃貸のいずれでも、大半が選んで良かったと回答

日本トレンドリサーチのアンケートの結果では、回答者の今住んでいる「家」の居住形態は次のような比率だった。

・持ち家 71.2%(一戸建て54.3%・集合住宅16.9%)
・賃貸  27.5%(一戸建て3.3%・集合住宅24.2%)

(出典:日本トレンドリサーチ「家に関するアンケート」より転載)

(出典:日本トレンドリサーチ「家に関するアンケート」より転載)

アンケート回答者では、一戸建ての持ち家が圧倒的に多いという結果だ。

また、持ち家の場合の今の家での居住年数を見ると、21年以上が半数近い48.2%を占めた。一方、賃貸の場合の賃貸住宅での合計の居住年数を見ると、こちらも21年以上が41.4%を占めた。いずれの場合も、今の居住形態を長期間継続している傾向がうかがえた。

そのうえで、「家についての現在の気持ちとして最も当てはまるもの」として、自分の選択を「良かった」と回答した人はいずれもかなり多い。特に持ち家(一戸建て)で高く94.7%に達し、持ち家(マンション)の85.9%、賃貸住宅の78.0%の順になった。

家についての現在の気持ちに最も当てはまるものとして「良かった」を選んだ割合(出典:日本トレンドリサーチ「家に関するアンケート」より転載)

家についての現在の気持ちに最も当てはまるものとして「良かった」を選んだ割合(出典:日本トレンドリサーチ「家に関するアンケート」より転載)

これは人間の心理として、自分の選択を間違っていたとは思いたくないので、自分に不都合な情報を見ないようにしたり、自分のものに高い価値を感じたりするという背景もあるだろう。21年以上もその居住形態を続けている人が多いのも、より一層こうしたバイアスをかける要因になる。

とはいえ、家という支出的に大きな問題で、自分の選択が「良かった」と思っている人が大半というのは喜ばしいことだ。

持ち家VS賃貸、一戸建てVSマンション、それぞれの違いは?

さて、大半がよかったと思っているのであれば、買うか借りるか、買うなら一戸建てかマンションか、についてはどう選択したらよいのだろう?
基本は、それぞれのメリットやデメリットを理解したうえで、自分の暮らし方に適しているのはどれかを考えることだ。

□持ち家のメリット
●資産なのでキャッシュ化できる
●先々も住む場所が確保される
●所有しているので、自分の判断でリフォームなどができる
●住宅ローン返済後は維持費だけになり、支出を抑えられる
□持ち家のデメリット
●住む場所が固定され、気軽に引越しがしづらい
●家を保有するための税金や家のメンテナンス費用がかかる
●定められた額を完済するまで返済し続けなければならない
●所有しているので、住宅の維持を自分で判断し行うことになる

持ち家と賃貸では、メリットとデメリットがそれぞれ逆転する。住まいの安定性という面では、賃貸は高齢期に借りづらい傾向があるなどで持ち家に軍配が上がるが、持ち家は簡単には引越しができないという足かせが生じる。コストの流動性では、賃貸が持ち家より高く、コストの推移という面では、現役世代には持ち家のローン返済額が重い負担となるが、リタイア後の年金暮らしには賃貸の賃料が重い負担となる。

したがって、長期的な生活設計を考慮して、買うか借りるかを選ぶのがよいだろう。なお、一般的に、持ち家は賃貸より広くて性能の高い住宅が手に入りやすいといわれており、住宅の質という面も見逃せない点だ。

一方、買う場合の一戸建てかマンションかも、それぞれにメリットとデメリットがある。

□一戸建てのメリット
●住宅の独立性が高く、自分の判断で住み方やメンテンス方法を決められる
●マンションよりも増改築の自由度が高い
●駐車場や庭などを確保しやすい
□マンションのメリット
●建物や共用の設備、庭などの管理やメンテナンスを管理会社に委託できる
●ワンフロアで段差が少ない
●セキュリティやゴミ置場、宅配ボックスなどの共用設備面が充実している

一戸建てとマンションの大きな違いは、マンションは建物や設備を共有する共同生活になるという点だ。そのために生活上のルールがあり、共用財産を適切に維持するために管理方法や修繕計画を管理組合で決めることになる。共同生活を煩わしいと思うのか、自分だけで判断しなくて済むので気が楽と思うのかなどによって、どちらが向いているか変わるだろう。

なお、コスト面で、マンションは管理費や修繕積立金を支出しなければならないデメリットがある、という人もいる。しかし、一戸建ても庭の手入れや建物や外壁の補修などを行う必要がある。そのために時間を使ったり計画的に積み立てたりしなければならないので、必ずしもデメリットには当たらないと思う。

持ち家であれ賃貸であれ、一戸建てであれマンションであれ、選択して後悔しないためには、メリットとデメリットを理解して、自分の暮らし方に応じて判断することがカギになる。メリットだけを見て選んだり、他人の意見で判断したりすることが後悔の元になる点は、どんな選択をするのにも共通のポイントだ。

引用元: suumo.jp/journal